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原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.697 - 706, 2003/07
NMTC/JAM及びMCNP-4Cを用いて、JSNSにおける2台の非結合型モデレータの中性子特性に関する最適化研究を行った。計算モデルはターゲット・モデレータ・反射体集合体を詳細に反映したものを用いた。水素は、100%パラを仮定した。2台のモデレータの形状は、水筒型で、13126.2cmのものを用いた。ユーザーの要求に合わせて、デカップリングエネルギーは、1eVを適用した。デカップラ-材質は、銀・インジウム・カドミウム合金を採用した。非結合型モデレータでは(特にポイズンドモデレータで)、取り出し角度依存性が顕著であることがわかった。それゆえ、取り出し角度は、ポイズンドモデレータとポイズン無しのモデレータとで、それぞれ7.5と17.5に制限した。ポイズン材質として、カットオフエネルギーが高くピーク強度が高くなるカドミウムを採用した。ポイズン位置は、ユーザーの要求に合わせて、取り出し面から25mmとした。
原田 正英; 斎藤 滋; 勅使河原 誠; 川合 將義*; 菊地 賢司; 渡辺 昇; 池田 裕二郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.677 - 687, 2003/07
大強度中性子源のデカップラー材として、デカップリングエネルギー1eVを達成でき、(n,)反応がベースのためヘリウムガス生成量が小さい、銀・インジウム・カドミウム合金(AIC)を提案した。Cd及びBCデカップラーとさまざまな観点から比較した結果、有力であると判断し、デカップラー・ライナー材として、AICを採用した。現設計において、AICは、2.5mm厚のAg-35%wtCd及び0.5mm厚のAg-15%wtInとしている。デカップラー・ライナーは、構造材のAl合金にHIPにより接合され、Al合金を通して水冷される。最適なHIP条件を見つけるために、小試験片(202mm)のAg-Cd及びAg-Inを幾つかの種類のAl合金カプセル(22mm,底厚3mm,蓋厚1mm)封入して、試験を行った。その結果、最適HIP条件として、500C, 100MPa, 保持時間60分が得られた。さらに、より現実的なサイズである大試験片(Ag-Cd: 2002002.5mm, Ag-In: 2002000.5mm, A5083 and A6061: 21021021mm)による試験を行っている。
麻生 智一; 佐藤 博; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 門出 政則*
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.935 - 944, 2003/07
J-PARCの核破砕ターゲットシステムでは、高い中性子強度・パルス性能を同時に実現できる扁平型構造の非結合型モデレータ、及び、高強度冷中性子ビームを広い立体角すなわち多くの利用者に供給可能な円筒型構造の結合型モデレータを設置する。超臨界水素(1.5MPa,20K)の使用を視野に入れた冷減速材の設計においては、容器構造設計とともに、容器内流動の妥当性を最適化する必要がある。扁平型及び円筒型冷減速材容器に関して、アクリル製の模擬容器を用いた水による可視化流動実験を行い、再循環流や流れの停滞域などの流動場を明らかにした。流動解析結果と実験を比較し、解析コードを検証した。これにより容器構造に対する実機容器内水素の温度分布の予測が精度よく可能となった。
粉川 広行; 石倉 修一*; 日野 竜太郎; 加藤 崇; 麻生 智一; 佐藤 博; 原田 正英; 甲斐 哲也; 勅使河原 誠; 前川 藤夫; et al.
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.635 - 644, 2003/07
中性子性能を決定する冷減速材は、核破砕中性子源における重要な機器である。JSNS核破砕中性子源では、3種類の液体水素減速材を設置する。液体水素は温度20Kで高圧に加圧された循環系となる。このため、減速材容器は設計圧力2.0MPaとした。そのため容器の構造設計が重要である。一方、中性子性能の観点から、減速材容器は、容器での中性子吸収を減少させるために薄肉にする必要がある。そのため、容器材料をアルミニウム合金 A6061-T6として、モデレータ容器の合理的な厚さを検討した。結果として、 非結合型減速材容器の中性子引出面の厚さは5ミリメートルになり、結合型減速材の中性子引出面は4ミリメートルとなった。また、これらの容器を製作するための溶接線の位置を検討し、溶接可能な位置を明らかにした。